【考察】海外でプレーするサッカー選手に言語能力は必要なのか

サッカーは世界的なスポーツ


 

世界中でサッカー市場の国際化は進み、自国を離れてプレーする選手が増加しています。これはもはや、ビッグクラブに限った話ではありません。

本記事では、「海外でプレーするサッカー選手に語学力は必要か?」というタイトルで、様々な角度から「サッカーでの成功」と「言語能力」の関連について考察していきたいと思います

早速ですが、色々なソースからの情報をまとめ、私が出した結論があります。それは「サッカー選手にとって言語能力は必要不可欠ではないが、絶対にあった方が良い」です。

…矛盾してるように聞こえますね。ここから詳しく説明していきたいと思います。まず、言語能力があることのメリットを列挙してみます。

1. 監督, チームメイト, 審判とコミュニケーションが取れる
2. インタビューに円滑に答えることができる
3. ファンとの交流やプロモーションができる
4. 現地での生活にストレスを感じにくくなる

これだけのメリットがあるにも関わらず、なぜ「必要不可欠ではない」と言い切りました。その理由は「本質的にはプレーのレベルが高ければ、言語は大きな問題にならない」からです。

日本代表で言えば、岡崎慎司、内田篤人などの選手を想像してみてください。こんなことを言ったら怒られるのかもしれません。でも、彼らはそれほど語学に長けている印象はありませんよね?

そのような事情を抱えていたにも関わらず、サッカーの実力で「プレミア制覇」「CLベスト4進出」などに大きく貢献しています。だからこそ、必要不可欠とは言い切れないと思っているわけです。

ここからは「サッカー選手にとって、語学は必要不可欠ではない」という主張を裏付ける2つの例を紹介します。

B/R Football の 『Football Talent Will Always Overcome the Language Barrier (フットボールのスターたちは、いつでも言語の障壁を乗り越える)』 という記事を参考にしています。
 
 
 

フランス人 ピレスの例

(出典:Arsenal.com)

2000年にアーセナルに加入し、アーセン・ヴェンゲル監督らと共に一時代を築いたフランス人MF、ロベール・ピレスが興味深いコメントを残しています。

 

 
I don’t need to learn English to be at Arsenal. Every day, I am seeing French players, a French coach, going to restaurants with people who speak French —– it’s actually hard to learn English. If I had ended up at a club other than Arsenal where I was the only French player, I would have learnt English.

アーセナルでは、英語を学ぶ必要はないね。毎日、フランスの選手・監督と顔を合わせているし、フランス語を話す人たちと食事に行っている。実際のところ、英語を学ぶのは難しいよ。もし自分がアーセナル以外で、フランス人がいないチームへ行けば、英語を学んでいただろうけど。
 

 

確かにチームメイトにフランス語で意思疎通できる人がいて、監督もフランス語の話者であるとなれば、さほど学習をする気は起きないのかもしれません。

マンオブザマッチとしてインタビューを受けた際も、 “Thank you very much. Goodbye.” とだけ言って去っていたそうです(笑)

そういった状況でもピレスは、2001-02シーズンにアーセナルの主力として活躍し、プレミアリーグとFAカップの2冠を達成をしています。

さらに、記者選定による年間最優秀選手にも選出されているので、「言語能力が必要不可欠ではない」という主張が真実味を増していると思いませんか?

 
 
 

アルゼンチン人 ポテェッティーノ監督の例

(出典:talkSPORT.com)

アルゼンチン人であるポチェッティーノ氏が2013年にサウサンプトンの監督に就任した際、彼の英語力は十分と言えるものではなかったそうです。

「え!?監督こそ語学力って重要じゃないの!?」という気もしますが、本人は当時、以下のようなコメントを残していました。

 

 
I feel I’m communicating well with the players, and most of the time the communication is about gestures rather than verbal communication. Footballers are able to understand better a gesture of positioning or movement than a word. But it is key for me as time goes, that I am able to communicate verbally better with them.

選手とは上手く意思疎通ができていると感じるよ。ほとんど場合において、言語というよりは身振り手振りによるコミュニケーションだけどね。サッカー選手は言葉よりも、身振り手振の方がポジショニングや動きを理解できるんだ。でも時間が経過するにつれ、彼らと言語を介して意思疎通ができるようになるというのは、僕にとって鍵となるね。
 

このインタビューの中で、最終的にポチェッティーノ監督は「フットボール自体が国際的な言語である」と述べています。「笑顔は世界共通」みたいなものですね。

確かに、サッカーをしたことある人なら分かると思いますが、感覚だけで上手く連携できるチームメイトっていましたよね?そういうことを言いたいんだと思います。

 
 
 

それでも、言語能力があった方が良い理由

ここまで語学力は必要不可欠ではないという話を紹介してきましたが、多くの日本代表選手が言語の大切さを説いています。

特に、元日本代表キャプテンの中田英寿のインタビューが興味深いです。4分43秒のところまでが言語に関する内容となっています。

 

 

まとめると、セリエAでは「イタリア語を話さない選手は本当の意味でチームの一員になれない」という雰囲気があるようですね。

「どんなに上手い選手でも、無口だとパスは回ってこない」とも述べられています。パスを受ける側の選手は味方からの信頼感が物を言うので、より言語が重要なのかもしれません。

6ヶ国語を操る日本代表ゴールキーパーの川島永嗣も著書『本当に「英語を話したい」キミへ』の中で、言語の重要性を伝えています。

ゴールキーパーという特別なポジションにおいては、味方に細かい指示を行うこともプレーの1つですからね。言語能力のおかげで、移籍が決まったこともあったそうです。

本人は言語に関して、「これまで外国語を話せて損したことは一度もない。サポーターからの文句の内容がわかるくらいですかね(苦笑)」と述べています。

また、本田圭佑が「PROGRIT(プログリット)」という英語の学習サービスを利用していることはとても有名な話です。今では入団会見も通訳をつけずに、英語でこなしています。

2021年には「ホングリッシュを卒業する」という宣言をしましたね。語学をさらに洗練したものにするため、専任のコーチに依頼して発音の練習にも力を注ぐ姿勢は本当に尊敬できます。

おそらく、本田選手の場合は現役引退後のセカンドキャリアでも英語力を駆使してビジネス界で活躍してくれるのだと思ってます。というか、もうすでに色々と動いていますよね。

 
 
 

おわりに

 

本記事では、「サッカー選手にとって言語能力は必要不可欠ではないが、絶対にあった方が良い」という主張をしてきました。

あなたが将来、海外でサッカー選手として活躍したいと考えているのであれば、言語を学ぶことがマイナスに働くことはありません。

Change before you have to. (変革せよ。それを迫られる前に。)とはよく言ったものです。

なので、このサイトを利用してサッカー英語の基礎力は身につけておくと良いと思いますよ。もちろん、サッカーの実力が最も大事な要素ですけどね。

ちなみに、座学よりも実践的な方法で言語を学び始めたいけど、何をやったら良いか分からないという人には DMM英会話 をオススメします。

もともと英語力が皆無だった自分を、英検1級まで引き上げてくれた神サービスです。ぜひ、無料体験レッスンで雰囲気だけでも感じてきてくださいね。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。