( Premier League より引用)
11月初旬にプレミアリーグを見ていると、選手たちのユニフォームに赤い花のバッジがプリントされていることに気がつきます。また、試合開始前のセレモニーでも、至るところに散りばめられていますね。
実はこの「赤いポピーの花」のシンボルマークは Remenbrance Day(リメンブランス・デイ)という11月11日の世界大戦終結の記念日に際して、選手や監督・その他の関係者が身につけるものなのです。
「ポピー」というと日本人には馴染みのない花かもしれませんが、「ヒナゲシ」「コクリコ」や「虞美人草(ぐびじんそう)」とも呼ばれたりもします。スタジオジブリの作品で、「コクリコ坂から」ってありましたよね。
赤いポピーが意味すること
Red poppies are usually linked to consolation, remembrance, and death. The red poppy is used as a way to recognize fallen soldiers – most notably those who died in World War II. However, in Eastern cultures, poppies usually symbolize love and success instead, a stark contrast to their solemn Western symbolism.西洋文化において、赤いポピーは通常、「慰め」「追憶」「死」を連想させるもので、とりわけ第2次世界大戦で戦没した兵士たちに敬意を示す際に使用されます。しかしながら、厳粛な西洋の象徴主義とは対照的に、東洋文化ではポピーは一般的に「愛」や「成功」を表するものとなっています。
( Florgeous より引用)
リメンブランス・デイという記念日の名前からも分かるように、イギリスでは兵士たちへの「追憶」の意味を込めてポピーの花を選んでいることがわかります。
その一方で、東洋文化においては、赤いポピーの花が「愛」や「成功」の象徴というのは、なんだか素敵な話ですね。
ちなみに、ピンクのポピーには「栄華」や「想像」、白のポピーには「安らかな眠り」という意味もあるそうです。
ロイヤル・ブリティッシュ・リージョンの活動
( The Royal British Region より引用)
この Poppy Appeal(ポピー・アピール)という活動の中心となっているのは国軍や退役軍人、その家族などに支援を提供している Royal British Region(ロイヤル・ブリティッシュ・リージョン)という慈善事業団体です。
ちなみに、この合言葉は Lest we forget.(忘れないように。)です。画像のバッジにもしっかりとこの言葉が刻まれていますね。
「〜しないように」「〜をするといけないから」を意味する lest という接続詞は私もこの件で初めて知りました。日常会話では in case や for fear that の方が使用頻度が高いですね。
プレミアリーグとの繋がり
( Premier League より引用)
プレミアリーグでは2012年より、赤いポピーのプリントされた特別なユニフォームを選手たちが着用することで、ロイヤル・ブリティッシュ・リージョンの活動をサポートしています。
選手たちが着用したユニフォームをオークションにかけることで、団体の活動に必要な資金にしているとのことですが、なんとこれまでに3億円以上を提供してきたそうです。
「フットボール界は忘れない。」という世界平和への意識も示しながら、熱い戦いを見せてくれる選手には本当に感謝しかありませんね。リメンブランス・デイ、覚えておきましょう。