英語の勉強を頑張っているのに、成績が伸びないという中学生を今までに何人も見てきました。英語を教える立場の私からすると、非常に悲しいことです。
しかし、そういう人に限って、やるべきことはやって努力してるつもりなんですよね… 。だからこそ、それほど努力をしてなさそうなクラスメイトが軽々と高得点を叩き出す姿を見て、絶望するわけです。
「自分には英語の才能がないんだ。」なんて思うかもしれません。「帰国子女だったらそれほど勉強しなくてもいいのに。」「ずるいなぁ。」そんな気持ちになるのも当然です。
本記事では、そんな方々へ向けて「テクニック論」ではなく、「根本的かつ具体的な解決方法」を3つ話していきたいと思います。
英語の成績が伸びない理由
意外に思うかもしれませんが、「関係代名詞が分からない!」とか「長文読解が苦手!」というような個別の事象はどうでもいいんですよね。
ひとまず、次の3つの視点で考えていかなければなりません。それは「1. 前提となる言語能力不足」「2. 練習方法の理解不足」「3. 根底的な概念の習得不足」です。
Q1. 前提となる言語能力不足とは?
英語ができるようになるには、言語の細かい違いを認識できるかが非常に重要です。学齢が上がれば上がるほど、言語に対する繊細さが勝負を分けることになります。
分かりやすく言うと、成績が伸びない学生は中1の段階で This is my pen. と This pen is mine. を正確に訳し分けることができない場合が多いんですよね。
要するに、日本語の力が不足しているがゆえに、英語の吸収率が悪くなるという負のスパイラルに陥っている可能性があるということです。
言語能力を身につけるためにすべきこと
この「1. 前提となる言語能力不足」に対する改善策はとてもシンプルです。読書をしてください。もちろん、日本語で構いません。
本というのは著者が人生をかけて執筆しているものなので、場面場面で最適な表現、要するに「豊かな日本語」が使用されています。だからこそ、日本語力を伸ばすには最適です。
読書が嫌いな人は「映画・ドラマ化された作品の原作本」を読むと良いと思います。登場人物の顔や場面設定などを想像する必要がないので、読み進めやすくなります。
中学校に入学した時点で、それほど英語に親しんでこなかった生徒でも、日本語の感度が高いことで、飛躍的な成長を遂げる場合が多くあるんですよ。
Q2. 練習方法の理解不足とは?
英語の成績を伸ばすためには「正しくトレーニングができているかどうか」も見ていかなくてはいけません。ここを間違えていると、無駄な努力を多くしてしまうこととなります。
例えば、以下のような単語練習プリントがあったとき、皆さんはどのように学習を進めますか?先生からは「5回書いて練習するように。」という指示が出ているとしましょう。
単語 | ||||||
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英語の成績が伸びない生徒は何も考えず横に5回写して書きます。終わったら次の単語。とにかく、早く終わらせることだけを考えてこなし、最終的にテストの日にはすべてを忘れてやってきます(笑)
できる生徒は意味と発音も確認しながら、縦に1つずつ練習をしていって、最後の5回目の列をセルフテストに使用したりします。そして、書けなかった単語を追加の自主トレでカバーするなどの努力をします。
結果として提出するものは同じでも、これらの取り組みに大きな差があることは分かると思います。そこが本番のテスト結果の明暗を分けるのは、言うまでもありませんね。
正しい練習方法を知るためにすべきこと
書籍や YouTube でも英語の勉強法は広く公開されていますが、最善の方法はやはり「学校の英語の先生に聞くこと」だと思います。なぜなら、質問してくる生徒の現状を分かっているからです。
もちろん、漠然と「どうやって勉強したら良いですか?」と聞くのではなく、「こういうやり方で勉強してるんですけど」と前置きを入れるようにしましょう。その方が聞かれた先生も問題点を指摘しやすいです。
そして、最も大事なのが「そのアドバイスを素直に聞いて実践すること」です。
成績が下降しているにも関わらず、自分のやり方にこだわって、取り返しのつかないことになる生徒も多くいます。自分のやり方にこだわるのは、上手くいっているときだけにしましょう。
Q3. 根底的な概念の習得不足とは?
根底的な概念の習得不足というのは曖昧な表現ですが、簡単に言うと「目の前の問題が解ければいい」と考えている人は伸び悩むということです。
ワークを3回ほど繰り返して解くと、大抵の内容は覚えてしまいます。もちろん、ある程度の暗記は必要なのですが、これだけでは足りないんですね。
例えば、He plays soccer after school.という英文があったとき、「なんで動詞が play じゃなくて plays になるの?」と質問をされたとしましょう。
伸びる生徒は「主語が三人称で単数だから」と答えます。一方で、伸びない生徒は「前に He があるから」というように答えます。ワークでの答えは同じでも、理解度は雲泥の差ですよね?
根底的な概念を習得した生徒はテスト中の「揺れ」に強い傾向があります。主語が She, It, The dog などになっても、しっかりと対応できるということですね。
根底的な概念を習得するためにすべきこと
根底的な概念を習得するためにすべきことは「一歩ずつ体系的に学ぶこと」です。分かりやすく言えば、「問題演習は最後」ということです。
基礎力のない生徒ほど、焦って問題演習に走りがちですが、その場しのぎにしかならないので、長期的な成長を考えるなら、絶対にやめた方が良いですね。
むしろ教科書を音読したり、授業ノートを自分の言葉でまとめ直したりしてほしいと思います。
教科書は最も体系的に英語を学ぶことができる教材です。そして、ノートは先生が生徒のレベルに合わせて作るものです。これらを使用しない手はありません。
問題演習はそういった学習をして、土台の整備ができた後が最適です。
そうしないと、すべての問題が「ただの暗記」となり、膨大な範囲から出題されるテストでは結果を残すことができなくなってしまいます。だからこそ、問題演習は最後でいいんです。
おわりに
いかがだったでしょうか?努力はしているのに、成績が伸びてこないという人、ここで挙げた3つの解決策が少しでも救いになっていれば幸いです。
今までの自分の勉強法を変えるというのは難しいことですが、将来のことを考えれば、チャレンジする価値はあるはずです。
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それでは、最後までお読み頂きありがとうございました!また次の記事でお会いしましょう!