
冬の全国高校サッカー選手権大会を盛り上げる応援歌は、夢の舞台に立つために努力を続けてきた選手たちへの最高の贈り物です。
自分も元サッカー部で、今でも高校サッカーは大好きなので、毎年のように大会と応援歌から感動をもらっています。
この記事では各年の優勝校・準優勝校・応援マネージャーとともに、2005年以降の応援歌を振り返っていきたいと思います。
ぜひ自分の青春時代を思い出しながら、それぞれの応援歌を聞いてみてください!感動して泣くのは最後まで我慢してくださいね!
2005年(第84回) Starting Line / コブクロ
▶︎2005年 第84回大会
優勝🏆: 野洲 (滋賀)
準優勝: 鹿児島実業 (鹿児島)
応援マネージャー: 堀北真希
後に日本代表となる乾貴士を要した滋賀県代表の野洲高校が、セクシーフットボールで一世を風靡した大会の応援歌はコブクロの『Starting Line』という曲でした。
負ける度に足元に引かれる新たな Starting Line から、遠く見える次のゴールに向かって歩き出す勇気を届けたいという気持ちで歌われていたそうです。
「揺るぎない思いだけを今 胸の真ん中に」や「手探りの日々を繰り返して」という歌詞で勇気をもらえるのは、サッカーに打ち込んでいる高校生だけではないだろうと思います。
2006年(第85回) Start to 0 (Love) / 絢香
▶︎2006年 第85回大会
優勝🏆: 盛岡商業 (岩手)
準優勝: 作陽 (岡山)
応援マネージャー: 新垣結衣
盛岡商業の大逆転で決勝が幕を閉じた第85回大会の応援歌は絢香の『Start to 0 (Love)』という曲でした。Zero のことを Love と読むのはテニスっぽいですね。サッカーでは Nil という言葉がよく使用されます。
Start to 0 というタイトルを見たときに「0に向かって始める」ってどういうこと?という疑問が湧いたので調べてみたところ、素晴らしいインタビュー記事を発見しました。
絢香: この曲は、去年(2005年)の夏頃に書いたんです。ちょうど東京に出てきて、ちょっと経ったくらいの頃で、いきなり大人の中にポンと入った時に、矛盾に感じることが凄く多くて。「なんでこんなことがあるのに、平気な顔してられるんだろう」とか、冷静に周りを観てしまう時期だったんです。何もかもが嫌になったり、これからやっていけるのかって不安に思った時でした。そうやってつまずいた時に、1回スッと落ち着いて「もしも失敗したらゼロに戻ってやり直せばいい」って、そういう余裕を持ってやっていきたいなって気持ちになれたんです。その意味を込めて、『Start to 0 (love)』というタイトルにしたんです。( エキサイトニュース より引用)
2007年(第86回) Remember / RIP SLYME with MONGOL800
▶︎2007年 第86回大会
優勝🏆: 流通経済大付柏 (千葉)
準優勝: 藤枝東 (静岡)
応援マネージャー: 北乃きい
第86回大会の応援歌のために RIP SLYME と MONGOL800 がタッグを組み、『Remember』という力強いメッセージのこもった楽曲が製作されました。
この曲の中には、ヘコんでいる友達を励まして立ち上がらせてあげたいという思いが強く反映されているそうです。
確かに、明るい曲調の中で Take my hands! や Give me your hands! と言われたら、悲しさや悔しさなどの気持ちも少し和らぐのかもしれませんね。
2008年(第87回) 心の花を咲かせよう / いきものがかり
▶︎2008年 第87回大会
優勝🏆: 広島皆実 (広島)
準優勝: 鹿児島城西 (鹿児島)
応援マネージャー: 逢沢りな
鹿児島城西の大迫勇也が大活躍し、「大迫半端ないって!」という伝説の名言が生まれた第87回大会。この年の応援歌はいきものがかりの『心の花を咲かせよう』でした。
大サビの「その先に未知なる言えぬ痛みが待つとも ひたすらに続く未来が見たい ひとひらの淡い奇跡が見たい」という部分を聞くと、また頑張ろうという気持ちになることができます。
高校生であれば、人生に迷いが生じるのは当然のことだと思います。そのような時期に、それぞれが持ち合わせている「心の花」を肯定してくれるこの歌詞は応援歌にピッタリですね。
2009年(第88回) 明日へ / FUNKY MONKEY BABYS
▶︎2009年 第88回大会
優勝🏆: 山梨学院 (山梨)
準優勝: 青森山田 (青森)
応援マネージャー: 川島海荷
宮市亮(2年), 長澤和輝, 柴崎岳(2年)などが優秀選手として選ばれた大会の応援歌は FUNKY MONKEY BABYS の『明日へ』という曲でした。
PVに当時ジュビロ磐田に所属していたゴン中山が出演したことでも話題になりましたね。残念ながら FUNKY MONKEY BABYS は解散してしまいましたが…。
歌から伝わってくる一生懸命でがむしゃらな感じが、高校サッカーの雰囲気にマッチしていると思います。
2010年(第89回) キミノトモダチ / WEAVER
▶︎2010年 第89回大会
優勝🏆: 滝川第二 (兵庫)
準優勝: 久御山 (京都)
応援マネージャー: 広瀬アリス
第89回大会の応援歌は WEAVER の『キミノトモダチ』という曲でした。英単語の weaver には「織り手」や「編む人」という意味があります。
なので、WEAVER というバンド名には「音楽を紡ぐ人」という意味がこめられているそうです。
YouTubeのコメント欄には「卒業式で歌って感動した」といったコメントもありました。人生の応援歌としても、多くの人にエネルギーを与えている名曲です。
2011年(第90回) Message / ナオト・インティライミ
▶︎2011年 第90回大会
優勝🏆: 市立船橋 (千葉)
準優勝: 四日市中央工 (三重)
応援マネージャー: 川口春奈
第90回は浅野拓磨(2年)を要する四日市中央工を、市立船橋のエース和泉竜二の2ゴールで沈めた大会でした。その和泉竜司が四日市出身ということが大きく取り上げられていたのを覚えています。
市立船橋の朝岡監督が選手としても監督としても選手権優勝という史上初の快挙を成し遂げた大会でもありましたね。この大会の応援歌はナオト・インティライミの『Message』という曲でした。
ナオト・インティライミさんが柏レイソルのジュニアユースに所属していた影響か、サッカーに打ち込む選手の気持ちに寄り添った歌詞になっています。歌に出てくる言葉がすごく具体的で、胸に響くんです。
2012年(第91回) ホイッスル~君と過ごした日々~ / miwa
▶︎2012年 第91回大会
優勝🏆: 鵬翔 (宮崎)
準優勝: 京都橘 (京都)
応援マネージャー: 大野いと
雪によって決勝戦が5日間延期された第91回大会の応援歌は miwa の『ホイッスル~君と過ごした日々~』という曲で、頑張っている選手たちを心から応援する目線が描写されています。
それもそのはずで、この曲を作るにあたっては、当時大学生シンガーソングライターをやっていた miwaさんがなんと「地区予選から試合を見て、感じたことを歌詞にした」そうです。
見た目も可愛らしい miwaさんに「走る君の姿は まぶしくて切なくて本当に好きだった」と歌ってもらうことによって、安らぎを感じることができる高校生は多いのではないでしょうか?
2013年(第92回) 僕らの物語 / GReeeeN
▶︎2013年 第92回大会
優勝🏆: 富山第一 (富山)
準優勝: 星稜 (石川)
応援マネージャー: 松井愛莉
高校サッカーのファンであれば、誰もが記憶に焼き付いているのが国立最終章となった第92回大会だと思います。決勝だけでも「親子の絆」「中学時代の仲間との戦い」「大逆転」「初優勝」など、マンガでももう少し手加減するくらいのドラマが連続して起こりました。
そんな第92回大会の応援歌は GReeeeN の『僕らの物語』です。ただ、この年の応援歌は2曲とされていたようで、もう1曲には『僕らは物語』というタイトルがついています。
Greeeen の公式サイトによると、『僕らの物語』では「仲間と共に戦う 未来への希望」、そして『僕らは物語』では「仲間と駆け抜けた今日までの日々」を描いているそうです。
2014年(第93回) 瞳 / 大原櫻子
▶︎2014年 第93回大会
優勝🏆: 星稜 (石川)
準優勝: 前橋育英 (群馬)
応援マネージャー: 広瀬すず
前年に優勝を逃した星稜が、不屈の精神で決勝まで返り咲き、優勝を果たしたのが第93回です。この年の応援歌は大原櫻子の『瞳』という曲でした。
アカペラバージョンも YouTubeで公開されており、大原櫻子さんの歌唱力の高さが光っていると思います。決勝前のライブパフォーマンスでも、会場の想いを1つにしていました。
「まっすぐに夢を追いかける 君の瞳が大好きだよ」という歌詞にもあるように、何か目標を持っている人間の目ってどこかキリッとしていて、本当にカッコいいですよね。
2015年(第94回) はじまり / BLUE ENCOUNT
▶︎2015年 第94回大会
優勝🏆: 東福岡 (福岡)
準優勝: 國學院久我山 (東京)
応援マネージャー: 永野芽郁
決勝で5-0というスコアを記録し、東福岡が圧倒的な強さを見せつけて幕を閉じた第94回大会の応援歌は4人組ロックバンド BLUE ENCOUNT の『はじまり』という曲でした。
英単語の encount には「〜に出会う」という意味がありますが、バンド名の由来はメンバーの見た香港映画「ブルー・エンカウンター」に由来しているそうです。
個人的には土のグラウンドでMVを撮影しているあたりに、大半のサッカー部員の状況を理解していて好感が持てるなぁと思ったのですが、これはただ単にメンバーの地元で撮影しただけということでした(笑)
2016年(第95回) それぞれの明日へ / 家入レオ
▶︎2016年 第95回大会
優勝🏆: 青森山田 (青森)
準優勝: 前橋育英 (群馬)
応援マネージャー: 大友花恋
青森山田が2回戦から決勝までの5試合で20得点2失点という驚異的な強さを見せつけ、初優勝を果たした第95回大会の応援歌は家入レオの『それぞれの明日へ』でした。
家入レオさんに高校サッカーのような泥臭い部分は微塵も感じたことがなかったのですが、やっぱり曲も上品でした。これまでになかった「爽やかな応援歌」という感じで、聞くだけで晴れやかな気持ちになってきます。
この曲のMVでは様々な部活動に挑戦している高校生が登場していることもあり、「それぞれの未来へ 羽ばたいていけ」という歌詞がピッタリとハマっている感じがします。
2017年(第96回) いつかこの涙が / Little Glee Monster
▶︎2017年 第96回大会
優勝🏆: 前橋育英 (群馬)
準優勝: 流通経済大柏 (千葉)
応援マネージャー: 高橋ひかる
前橋育英が3度目の決勝で悲願の初優勝を果たした第96回大会の応援歌は Little Glee Monster の『いつかこの涙が』でした。
この『いつかこの涙が』のMVに、この大会の応援マネージャーを務めた高橋ひかるさんが登場したことでも話題になりました。
選手権で負けたときって本当に泣いてしまうんですが、「今はこの涙に似合う言葉はないから 何も言わないで肩を抱きしめていよう」の歌詞がグッときます。
2018年(第97回) 僕のこと / Mrs. GREEN APPLE
▶︎2018年 第97回大会
優勝🏆: 青森山田 (青森)
準優勝: 流通経済大柏 (千葉)
応援マネージャー: 清原果耶
青森山田が2度目の優勝を果たした影で、流通経済大柏が2年連続決勝で散ることとなった第97回大会の応援歌は Mrs. GREEN APPLE の『僕のこと』でした。
この『僕のこと』という曲を聞いていると、プラスとマイナスの出来事が起こる日々を「素敵な日」として表現していることに気がつきます。
応援歌だからといって無責任に「頑張れ」と言うのではありません。むしろこの曲は、日々の物事の捉え方を変えてくれる「人生賛歌」であると評されています。
2019年(第98回) 繋げ! / 三阪咲
▶︎2019年 第98回大会
優勝🏆: 静岡学園 (静岡)
準優勝: 青森山田 (青森)
応援マネージャー: 森七菜
令和に入って最初の選手権となった第98回大会は、大逆転で静岡学園が優勝を果たしました。この大会の応援歌は、当時まだ高校1年生だった三阪咲の歌う『繋げ!』という曲でした。
「繋げ!」とストレートな想いを表現するところや「”もう一度”がない試合で がむしゃらに走り続ける」という一生懸命さが、高校生らしくて素敵だと思います。
ちなみに、三阪咲さんは高校サッカーのために『We are on your side』という曲もリリースしています。こちらは元気一杯の明るい曲で、高校サッカー公式のYouTubeチャンネルで公開されています。
2020年(第99回) 本音 / sumika
▶︎2020年 第99回大会
優勝🏆: 山梨学院 (山梨)
準優勝: 青森山田 (青森)
応援マネージャー: 本田望結
全国で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、選手権の開催自体が危ぶまれていた第99回大会の応援歌は sumika の『本音』という曲でした。
歌詞の中で「走れ走れ」と歌いながらも、最後に伝えているのが「ありがとう」であるという部分が良いですね。勝負の結果だけでなく、その中にある「出会い」にも焦点を当てた曲になっていると思います。
圧倒的な実力で押す青森山田に対して、緻密な連携と驚異の粘り強さで応戦する山梨学院がPK戦までもつれ込んだ大熱戦を制した試合の中には、ジュニアユース時代のチームメイトとの対戦というドラマも輝いていました。
2021年(第100回) 懐かしい未来 / 上白石萌音
▶︎2021年 第100回大会
優勝🏆: 青森山田 (青森)
準優勝: 大津 (熊本)
応援マネージャー: 茅島みずき
紅白歌合戦にも出場した上白石萌音が歌う『輝かしい未来』は森山直太朗が作詞・作曲した「頑張っている人に寄り添う応援歌」ということでも話題になった曲です。
「芳(かぐわ)しい匂い」や「弛(たゆ)むことない愛」、「悠遠(ゆうえん)の風」などの上品な日本語が、歌声とマッチしていてとても素敵ですね。
記念すべき第100回大会は、青森山田が 4 対 0 という圧倒的なスコア、相手にシュートを1本も打たせないという完璧な内容で優勝を果たしました。
来年以降もどんなドラマが待っているのか、楽しみですね。最後までお読み頂き、ありがとうございました。